「やってみたい」から学びは始まる

脳の発達が最も著しい時期に子どもたちは何を学ぶべきか

【テストができていればそれで安心!?】子どもたちは、何を学ぶべきなのか?

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はじめに

簡単に私の自己紹介をさせてください。

 

私は、公立学校正規教諭を辞職して、こども科学実験教室SUN inサイエンスを創業した、元教育職員です。

名前が太陽なので、たいよう先生と呼ばれています。

 

学校現場で自分ができることを探して、考えて、5年間必死で生徒のために何をしてあげることが、大切なのかを考え続けてきました。

 

その中で、

「自分が思う教育の形」

 と

「学校でできる教育の形」

ギャップに気づき、悩みに悩んだ結果、創業という決断をしました。

 

安定した暮らしを捨ててでも、やるべきだと思う教育が私にはあったのです。

 

以下、その概要について記します。

 

教育現場で身につけさせたい事とは

学校を含めた教育機関の最も重視すべき点は、こどもたちに対して

 

「いかに多くの知識をつけたか」

ではなく、

「いかに人間的に成長し、社会で生き抜いていける力をつけられたか」

 

であるはずですよね。

 

教科の試験や、学校行事も「本来」はそういった人間的成長や社会を生き抜く力をつけるための「手段」であるはずです。

 

しかし、実際の教育現場では、試験の点数を競い合い成績で順番をつけ偏差値がどれだけ伸びたかということばかりに目がいってしまっている「子どもたち」「親」「教員」がたくさんいるのが現実です。

 

でも、まわりを見回せば気づきますよね。

 

テストが出来ていた人=幸せな人生

とは限らないのです!!

 

あなたの知人や周りの人々で、勉強は出来なかったけど幸せに暮らしている人はいますよね?

その逆もいますが・・・。

 

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(現在の日本の受験というシステムがある以上、やむを得ない部分もあります。否定はしません。)

 

本来、「学ぶ」ということは楽しい事 ~小さなこども達から得た気づき~

小さな子どもたちが、夢中になって絵本や図鑑を読んでいるうちに、大人より本や図鑑の内容を覚えている、ということはよく見かけることですよね?

 

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我々大人が図鑑の内容を暗記しようと思ったら、

 

「やるぞ!」

 

と気合いを入れて何度も反復して、かなり「努力」をしないといけません。

 

「苦痛だ・・・」とさえ感じるかもしれません。

 

しかし、子どもたちは違います。

 

図鑑や絵本の中身を覚えようと「努力」などしていません。

 

「楽しい」と感じるから、夢中に読んでいるうちに頭に入っているのです。

 

彼らは、やれといわれてやっているわけではありません。

もちろん、偏差値向上のためでもありません。

 

つまり

 

本来小さなこども達というのは

 

最も「学び」を楽しんでいる優れた学び手なのです

 

 

この幼い時期に何を、どのように経験させるかで、将来の学びの質は大きく異なります。

 

単なる知識の詰め込み作業となるのか、好奇心に駆り立てられた知の探求となるのか・・・。

 

 

大切なのは好奇心

「学びを楽しむ」事ができるのは、実は小さな子どもだけではありません。

 

 例えば・・・過去に担当した生徒の中には

 

  • 陸上部の生徒の中には、足が速くなりたい一心で、栄養学や運動力学、トレーニングなど、誰に言われずとも調べてくる生徒がいました。
  • 絵が好きな人の中には、時間がたつのも忘れて、夜通し絵を描き続ける生徒がいました。

 

共通するのは、どちらも誰に強要された物ではなく、「主体的」に行動しているということです。

 

「こうやったらもっと良くなるかな?」

「ここを変えたらどうなるかな?」

 

そんな「好奇心」が、これらの行動の原動力です。

 

仕事・趣味・部活。皆さんも自分の好きなことに、時間を忘れて没頭したことがあるのではないでしょうか? 

 

思い出してください、それは誰かに強要されたものでしたか・・・?

 

自らの成長を楽しんでいたのではないですか?

 

子どもの頃は、「勉強」も「運動」も「おえかき」も好奇心を駆り立て、自らの成長を感じる楽しいものだったはずです。

 

なのに、いつしか「勉強」はつまらないものという認識が染みついていってしまっているのが、教育の現状です。

 

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勉強が楽しいと感じている子どもの割合は、小学校卒業と同時にガクッとさがり、高校生ともなると6~7割の生徒が勉強はつまらないと感じているのです。

 

「学び」とは

「学び」とは「国社数理英」の事ではありません。

 

自らの人生を豊かに彩る「知」を吸収することはすべて学びなのです。

 

むしろ大人になって、「国社数理英」の知識を直接的に使っている人は珍しいはずです。

 

生涯において大切な力とは、

その時その時において自分に必要な事を「学び続ける力」です。

 

特に変化の激しい今の世の中において、「国社数理英」の知識のように、過去に一度身につけた知識のみで生き抜いていくことは困難でしょう。

 

 

常に「今」必要な事を学び続けて、「変化に対応」し続けることが求められているのです。

 

変化に対応し続ける力(生きる力)を身につける?

 まず、変化に対応し続ける力(生きる力)は、「国社数理英」の点数を上げるだけでは決して身につきません。

 

偏差値が高いだけでも、身につきません。

(高学歴ニートと呼ばれる人々が増えているのは、学ぶことの本質に気づけず、「数字」だけに捕らわれて生きてきてしまった結果なのかもしれません。世の中に価値を見いだせないと言う人もいますが。)

 

高校で教員をしていて思ったことは、

 

勉強はよくできるけれど、「やりたいことや興味のあることが何もありません」という生徒が非常に多いということ。

 

いいんですよ?

全員が全員夢を持っていなくたっていいんです。

 

でも、

将来の職業を高校生の段階で決めることは難しいかもしれないですが、何をしているとき自分がワクワクするのか、それさえも分からない。

 

 

「こうしてみたい!」

「あんな風になってみたい!」

 

といった好奇心をいだける人間でなければ、常に新しいことに挑戦したり、新たな学びを得たりする事(学び続けること)は難しいでしょう。

 

そのような好奇心を持った人材を育てるために、私は幼少期の教育が大切だと考えています。

 

幼き日の好奇心を最大限育てること

↑(結局小さい頃何をしたらいいんだ!と言う方はここから読んでください)

ここまで長かったですね・・・。

ようやく本題です。

 

「最も優れた学び手」である幼児・小学生の「やってみたい」(好奇心)を徹底的にサポートし、自らの手で実践し、「トライ&エラー」を繰り返しながら成功に近づいていくプロセスを経験する(しかも楽しみながら)場を作りたい。

 

これが私の思いのひとつです。

 

学ぶことが本来楽しい事なんだと、新しいことを明らかにするのは面白いことなんだと、子どもたちに知ってもらいたい。

 

機械的に物事を詰め込む勉強だけでは、前述の通り社会で生き抜いてはいけません。

 

自分で考え、失敗し、改善し、何度も何度もチャレンジし…。

これを楽しみながら出来るような人間を育てることが出来る時期は、限られています。

 

 

人間の脳は8歳ほどで成人とほとんど変わらないほどに成長してしまうからです。

 

体に比べ、脳の成長は早いのです。

 

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体は、著しく発達している段階において

 

・どのような栄養をとったか

・どのような運動をしたか

 

で成人した後の体格や運動能力に差が出ます。

体は成人男性だと20歳前後まで背が伸びたりしますね。

 

 

も同じで、

最も著しく成長をしているタイミングで

 

・何を考えたか

・何を経験したか

 

によって、その後の思考力や判断力に大きな差が出ます。

 

体と脳で異なるのは、

 

脳の成長が最も著しい時期が幼少期であることです。

 

この時期に機械的な覚え込みや、反復反復の詰め込みのみしかしてこないと、

 

・賢いけど、やりたいことも楽しいと感じることもないのね?

・言われたことは出来るけど、主体的には動けないのね?

・自分の意見はないのね?

 

など厳しい言葉を言われる人間に育ちかねません。

 

幼少期に必要な刺激は

ずばり

 

五感を使った活動です!

 

・あついのかな?冷たいのかな?

・どんな味かな?

・どんな匂いかな?

・どうしてこんな風にみえるのかな?

・これはなんの音かな?

 

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それが、前頭前野を刺激して、主体性や創造性、思考力などを養うことにつながると言われています。

 

そのために、幼い頃に誰もが持っている「好奇心」を、伸ばしてあげる場が必要です。

 

 

その手段として、様々ありますが、私の理科教員としての経験を生かすのならば、

こどものための理科実験は適した方法だったと考えています。

 

 

「どうなるかな?」

「こうした方がいいかな?」

 

優れた科学者達も、偉大な発見の陰には必ずこのような好奇心があったはずですよね。

 

そしておそらくたくさん失敗もしていますよね。

 

将来あらゆる事において、「好奇心を持って行動できる人間」、「つまらないと思えるようなことを面白く変えていける人間」そういった人材こそが変化の激しい社会を生き抜く力を持った人材なのではないでしょうか?

 

遊んで学べ、学んで遊べ

前述のように、幼い子どもは遊びの感覚で学びます。

 

虫を捕まえた、木に登った、すべてが新しい発見、すべてが学びです。

 

学ぶことは楽しい事という気持ちを大切にしなければいけません。

 

さて、幼児教育というと、様々な塾があります。

楽しむ事を忘れずに「学びを遊びのように」授業を展開している塾は多いと思います。

 

「学びを遊びのように」楽しく展開する事はもちろんですが、

 もう一つ

「遊びに学びの要素」を加えていく事も大切です。

 

微妙なニュアンスの違いかもしれませんが、子どもたちにとっては、塾に来て

 

「きょうのお勉強は楽しかったよ!」

という思いと、

「楽しく遊んでいたらこんなに物知りになったよ!」

という思いのどちらも大切だと思います。

 

勉強だと思って身構えず、のびのびと、遊びのつもりでいろいろな学び(あそび)に挑戦してほしいと思います。