「やってみたい」から学びは始まる

脳の発達が最も著しい時期に子どもたちは何を学ぶべきか

【子どもが言うことを聞かない】なぜ子どもは言われたとおりにしないのか ~考察~

こんにちは。

今日は、【指示通りに動かず、気をつけろと言ったばかりの失敗をしたりする】、子供たちの行動について、私の考えを書いていこうと思います。

(今日も過去のInstagram投稿から一部手を加えての投稿です。)

 

 はじめに

私は、幼児から高校生まで、学習指導や部活動指導を行ってきました。

(もと公立学校教諭です。)

 

その中で、まず間違いなく言えるのは、

幼児でも高校生でも、勉強ができる子も苦手な子も、

 

こちらが意図した通りには動かないということです。

 

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よくある保護者さんからの相談

皆さん、ご自分のお子さんが、

 

言った通りにしなかったり、

何度も失敗を繰り返して

イライラとしてしまった経験がおありではないでしょうか?

 

でも、

根本的な考え方を変えれば、そのイライラは解消できるかもしれません。

 

 

子育てをされている親御さんが陥りがちな思考は

 

「どうしてうちの子は、言うこと聞かないのかしら…」

「こんな事じゃ、人様に迷惑をかけるのでは…」

 

 といったものです。

 

実際、保護者面談をすると、だいたい皆さんこのような台詞をおっしゃっています。

 

 

人の言うことを聞いているかどうか、

 

をものすごく気にされます。

 

世の中、大人の言うことをきちんと守る子どもが「いい子」だという認識がなんとなくありますもんね。

 

しかし、よくよく考えれば

人の指示に従う=偉い

とは限りませんよね?

 

「自分ならではの発想を持つこと」

「きちんと指示に従うこと」

 

は時として両立できない場面があります。

(特に学校などではそういう場面は多いかもしれません。)

 

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他の家庭でも同じ悩みを持っている

自己をコントロールできるようになってくるので、

幼児よりは高校生のほうが場をわきまえた行動をする傾向はありますが、

 

県内トップの進学校でさえも

 

「それ、ついさっき、やっちゃダメだって言ったよね?」

「今は○○をやる時間だって言ったはずだよね?」

 

なんていう会話は日常茶飯事です。

 

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さらには、(すいません。これは余談です)

 

・台風で休校の日に学校に来る

・体育祭の日に制服で来る

・期末試験の日だと知らずに登校する

・制服のスカートを家に忘れる(下はジャージ。なぜ…。)

なんてことも、よくあること…。

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ご自分のお子さんだけが、

先生の言いつけを守れなかったり、

きちんと伝えられたはずの事が出来ていない

わけではありませんので、

 

実はそこまで深刻に頭を抱える必要はございません。 

 

 

どうして言われたとおりにしないのか

子どもが、大人に言われたとおりに動けない理由はいくつか考えられます。

その中の2つほど考察してみます。

 

1つめ

先ほどの余談のように、別のことに気をとられて

そもそも人の話を聞いていないパターン。

(スカートの件は、うっかり?としかいいようがありませんが、笑えました)

これは、何度も繰り返すようなら改善していかなければいけない場合もあります。

 

 

2つめ

話は聞いていたけど

自分なりの興味関心に出会った場合。

 

このパターンの場合は、頭ごなしに怒ってはいけない場合があります!

 

特に幼い子どもによく見られる行動ですが、自分が「楽しい!」と感じたら、今までやっていたことを放り出して楽しいと思う方へ行ってしまいます。

 

大人からすると、「落ち着きがなく」感じますが、実は非常に大切な学びが生まれている可能性があります。

 

 

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以前の記事にも書きましたが、子どもは本来「知らなかったことを明らかにする楽しみを知っている、最も優れた学び手」なのです。

 

 「あ!これやってみたい!」

 

と思っているときが脳を活性化させるチャンス

 

「こうしたらどうなるかな?」

「こんなことしてみようかな?」

 

 

頭の中は思考がぐるぐる。

わくわくわくわく。

 

・自分が楽しいと感じていること

・自分の手で試してみること

・得られた結果を自分の肌で感じること

 

こういった経験こそが、幼少期の子どもの力を伸ばすのに大切なものです。

 

 

しかし、我々大人は子どもに何かを経験させるとき、「何かしらの効果」を狙って提供しています。

 

「こんな風に遊んでほしいな」

「こういう力をつけてほしいな」

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 もちろん大人が、ある程度教育的な狙いを持って子どもに接することは大切なことです。

ただ、頭に置いておかなければならないのは、

 

子どもは思ったとおりには動きません。

 

子どもたちが感じるワクワクと、大人が予想した反応は、必ずしもリンクしません。

 

大人は砂遊びをさせたくて砂場セットを買います。

大人は考える力をつけさせたくて知育玩具を買います。

 

でも

 

砂場セットを振り回して遊ぶ子もいれば、

知育玩具を怪獣と戦わせる子もいます。(私はこのタイプだった)

 

 

子どもの興味を持つポイントは一人一人ちがうので、隣の子と違った反応をするのは当たり前です。

まして、大人の硬い頭で考えた遊び方学び方の型に、いつもはまるとは考えにくいですよね。

 

だから、大人が期待したことが、子どものしたいことではなかった場合、

大人の言うことなんて聞かないんです。

 

 

それは当たり前であって、怒ることでもなければ、がっかりすることでもありません。

よその子と比べることも無意味です。

 

 

 

私の日常

私は「こども科学実験教室」を経営しているので、子どもたちに実験のネタを提供するわけです。

 

私が思う

「ここが面白い!!見て!!ここ!!ここ!!」

 

子どもの思う

面白いポイント

は、けっこうずれてることがあります。

 

この実験の写真見てください!

さっきまで無色透明だった液体が、一瞬にして凍り始めて、たちまちカッチカチになるんですよ!

 

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まるで氷の華❆

たちまち固まる様子は、まるでア○と雪の女王!!

絶対子どもたち喜ぶ!!と思っているわけですよ。

 

 

確かにみんな見とれたり、喜んだりしていましたが、

一部の子達にとっては

 

この現象を見るよりも

「温度計で液体とか壁とか床の温度測る方が面白いみたいなんですよね!!!」

 

「固まり終わった結晶を割り箸で突っつく方が面白いみたいなんですよね!!」

 

ち、ちがう!

そこじゃない。

 

ちょっぴり切ない気持ちになりますが、

 

それが その子のやりたいこと。

 

「楽しい」という感情が伴っている”今”こそ、子どもたちが伸びるチャンスなんだ!

と思って、グッとこらえるのです。

 

最初からゴールを作るから大人はがっかりするのであって、どこに向かうかは子どもたちに任せていいんじゃないですかね?

 

大人が想像したゴールには向かっていなくても、

子どもたちは

 

楽しい予感のする方へ」走り出している

 

ことには変わらないのです。

 

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人が敷いたレールの上を、人の決めたゴールに向かって走るなんて面白くないじゃないですか。

 

何が正解で、何が楽しいかなんてみんな違うのだから、大人の言うとおりのことをしないのは、

 

あたりまえ。

 

そう思えば、イライラしたりがっかりしたりする気持ちが少し楽になりませんか?

 

 

(※安全上注意が必要なことは、しっかり注意する必要があります。)

 

 

まとめ

小学生でも高校生でも同じですが、だいたい子どもというのは、大人が思った通りには動かないものです。

 

むしろ思い通りにコントロールしようとすることの方がおこがましいというか。

 

やってみたいと思ったことを、各々が好きに挑戦してみる時間が大切なのです。

 

 

時にはこぼしてしまったり、落としてしまったりもするけれど、それも経験。

(「言わんこっちゃない~!!」とは言わない言わない。)


次、気をつけるようになるのだから良いんです。


実際に自分で失敗して、そこから学ぶのも大切です。

 

子どもが予想外のことをしたとき、

大人が期待していた反応と異なる行動をしたとき、

 

「これはすごい。我が子は我々の想像を超えた!」

 

と喜んでおきましょう。

 

 

問題があるのは、

子ども

ではなくて

考え方が凝り固まった

大人の思考

なのでしょうね。